女性院長による皮膚科・美容皮膚科

あい皮膚科クリニック

「痩せる」ということについて(筋トレ推奨!)11月8日

秋も深まり紅葉が綺麗になってきましたね。写真は11月の日光の紅葉です・・
以下、火曜日に診察してくださっている松崎先生のコラムです。


はじめまして。2021年10月から当クリニックで、火曜日午後に主に手術を担当しております松﨑と申します。
コラムを…、とのことで何を書いたらよいやらと迷いましたが、多くの皆様の永遠のテーマが「痩せたい」ということだと思いますので、私見を交えながらお伝えしたいと思います。「痩せる」というと体重の減少がすぐに浮かんでしまいますが、体重を目安にすると無理な方法にいきがちで、偏った食事や摂食障害などにつながりかねず、健康的ではなくなってしまいます。ここでは、健康的で見栄えの良い体を作るということに重点をおき、運動(筋トレ・有酸素運動)の大切さについて書いていきたいと思います。
私自身、痩せたり太ったりを繰り返しています(180cm、65~85kg)。昔はランニングの後に2時間の半身浴をやったり、夕飯をグレープフルーツ1個だけにしたりと、今考えれば相当無茶なことをやったこともありました。皆さんもダイエットというと、まず食事量を減らすことを第一に考えると思いますが、これは短期的には少し痩せられるのですが、長期的にみるとあまりいい方法ではありません。私は、最近は下記の理論に基づいて、健康的な体を作ることを目標にしています。(ネットで調べれば大体同じことが書いてあるので、目新しいことは全くありません)
まず、大前提として、痩せるためには、「消費カロリーが摂取カロリーを上回る」ことが必要です。余計な脂肪を貯金、摂取カロリーを給料など入ってくるお金、消費カロリーを生活費など出ていくお金と考えれば、入ってくるより多く使えば貯金(脂肪)が減っていくというのは誰にでもわかりますよね。エネルギー(カロリー)収支を赤字にしなければなりません。お金だったら増えたらうれしいですが、脂肪が増えるのは普通はうれしくありません(お相撲さんなど一部の特殊な事情の方たちを除く)。じゃあどうすれば脂肪が減るんだよ、ということで大事なポイントを挙げたいと思います。


①基礎代謝量を上げる(筋トレで筋肉量を増やす!)
基礎代謝は、活動をしていなくても消費される1日あたりのエネルギー量で、様々な臓器がエネルギーを消費しますが、努力して代謝量を上げられるのは筋肉です。筋肉量は20代をピークに増え続け、そのあとは緩やかに減少、50代から急速に減少します。食べる量が変わっていないのに太っちゃうと言う方がよくいますが、運動していなければ筋肉は減っていくだけなので当然です。では単純に食べる量を減らせば良いかというと、極端なダイエットによってエネルギーが足りなくなると、生命を維持するために体脂肪だけでなく筋肉を分解してエネルギーを作り出します。筋肉は脂肪より重いので一時期体重が落ちますが、基礎代謝量が落ちて痩せにくい体質になり、ダイエットが頑張れなくなったときには脂肪だけが残って、エネルギーを消費する筋肉が以前より少なくなり、リバウンドしやすくなります。さらに、筋肉が減っていくと疲れやすくなり運動する気力もなくなるので、一層不健康になっていきます。ですから、痩せるには基礎代謝量を増やすために筋肉量を増やすか、これ以上太らないために筋肉量を維持しなくてはならないので筋トレが必要になります(一般的な家事程度や、事務仕事がメインでは筋肉量を保てません)。ただ、ここでまた体重の話になりますが、筋肉量が増えると体重は増えます。筋トレをすると体は大きくなるし体重は横ばいか増えるので、「全然痩せないじゃん!」となるのですが、だんだんと体つきが変わってきて見栄えは良くなります。私も、食べる量は減らさず、お酒も普通に飲んでいますが、週1回のジムでの筋トレと、週1-2回のランニング(もしくはフットサル)でお腹の脂肪が減ってきました。また、体が軽く感じて動かしやすくなってきています。一回入らなくなったズボンも入るようになったので、捨てなくてよかったと思いました。そもそも、ボディビルのようにプロテインをとりながら極限まで追い込むということをしなければ、そんなに大きな体は作れません。ですから、体重を目標にするとやる気がなくなってしまうので、以前着られた服が入るようになる(特にウエスト)、服が似合うようになる、というのを目標にするのが良いと思います。ユニクロなどのファストファッションでモデルが着ているのを見て良さそうだと思って買ってみても、実際着てみるとイメージとなんか違うというのは、スタイルによるところが大きいのです。体を鍛えてスタイルが良くなれば、高い服を買う必要がなくなるので一石二鳥なのです。


②脂肪を燃焼させる(有酸素運動で備蓄を減らす)
筋トレの大切さをしつこく述べましたが、筋トレだけだと痩せた効果が見えるまで相当時間がかかってしまいます。そして結果が出る前にあきらめてしまいます。スポーツジムに入会しても続かないのは、そういった部分もあるかと思います。ですので、手っ取り早く余った脂肪を減らすには有酸素運動が効果的です。
有酸素運動は、軽~中程度の負荷を継続的にかける運動のことで、酸素を使って筋肉を動かすエネルギーである脂肪を燃焼させることから有酸素運動といいます。筋トレのように、筋肉の限界近くまで負荷をかけると無酸素運動になってしまいます。代表的な有酸素運動は、ウォーキング・ジョギング・水泳・エアロビクスで、特別な道具は必要ないですが、ウォーキング・ジョギングは、自分に合った靴と適切なフォームでないと腰・膝・足首を負傷することがあります。私も最初は、靴は何でも良いと思ってランニングをやっていましたが、足首や膝を痛めて陸上経験者に相談したところ、靴は重要だと言われ変えてみたら、かなり改善しました。
有酸素運動は20分以上続けないと意味がないと言われますが、必ずしもそうとは限りません。ただ、20分を超えたあたりから脂肪燃焼効果が高まりますし、有酸素運動は20分なんてすぐ過ぎてしまって、なんだか物足りない感じになります。また、逆にやりすぎも良くありません。「さあやるぞ!」と最初は頑張るのですが、やりすぎてしまって疲労が蓄積し、途切れたとたんに再開できず結局続かなかったというのは、急に運動を頑張りだした人たちあるあるです。先日、大学の医局の若い女医さんが、スポーツジムのキャンペーンで8回パックに入会して、7回で行かなくなっていました(笑)。
はっきり言って、多くの方は有酸素運動が嫌いです。私は基本的に運動が好きですが、それでもランニングに行くときは、「今日は雨が降りそうだし、やめとこうかな」「疲れているから明日にしようかな」と気持ちが折れそうなことがよくあります。でも、行きます。そこが痩せられるかどうかの重要なポイントだと思っています。勉強などもそうですが、一瞬・一時で終わらないものは気持ちを維持するのが大変です。私の運動へのモチベーションは、「もう41歳だから、今やらなかったらもう痩せられないだろう」という恐怖心です(笑)。年をとっていくことには抗えないけれども、同じ年の人よりも若く健康でいるために頑張っています。


③脂肪燃焼には「筋トレ(無酸素運動)→有酸素運動」の順番で
筋肉量を落とさず脂肪の量を落としたいときは、筋トレ→有酸素運動の順番がお勧めです(同日に連続して行う場合)。筋トレで筋肉をつけ基礎代謝が高まり、体も運動モードになって、前述の有酸素20分~説の何分かを稼ぐこともできます。また、先に有酸素運動を行ってしまうと、筋肉に疲労が蓄積しエネルギーも不足している状態なので、筋肉に適切な負荷をかけることができず、筋トレの最大の効果を得ることが難しくなります。


④上記の運動ができているなら食べる量は減らさない
すべてをストイックにやりすぎてしまうと、よっぽど強靭な精神力を持っていない限り、精神的に追い込まれて息切れしてやめてしまいます。また、やつれた感じやパサパサな感じになると老けて見えます。ですので、食事の量は減らさず、バランスよく食べること、余計なものは食べないことくらいにして、食事に関してはあまり追い込まないことをおすすめします。ちなみに私は、朝軽め、昼しっかり、夜普通、といった量にしています。良いかどうかわかりませんが、少なくとも太ってこないので自分には合っている気がします。夜に炭水化物を抜いていたこともあったのですが、あんまり変わらない気がします(筋肉量が増えて消費できているのかもしれませんが)。


⑤消費カロリー数を把握する
これは非常に重要だと考えていて、某リンゴのマークの会社の腕時計を買ってからやる気が増しました。というのも、毎日の目標が明確になるからです。身長・体重を入力して四六時中つけていると、その日の消費カロリーがわかります。また、勝手にリンクしている携帯に記録が蓄積されていきます。ですので、「今日は運動したなー」とか「今日は全然動けてないじゃん」ということから運動するモチベーションがすごく上がります。私はアッ〇ル社のまわし者ではなく、データが正確で使いやすければなんでも良いと思いますから、運動を始めるのであれば各社からいろいろ活動量計が出ていますので、使用することを是非おすすめします。私にとっては、ここ10年くらいで買ってよかった物のダントツ1位です。


この話題は、話し始めたらキリがないですし、いろいろな理論が提唱されているので正解はありません。診察の際に「間違っているよ」というご指摘はご遠慮願います(笑)。ただ、私は今回の理論で体調は良くなってきていますし、体形は改善してきています。最後に一つはっきり言えることは、「やるかやらないか」「いつやるの?」ということです。答えは…「〇でしょ」(古いか…)。

*個人の見解です

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