女性院長による皮膚科・美容皮膚科

あい皮膚科クリニック

日本美容皮膚科学会2020のトピックスを報告します

暑い夏がいつまで続くのかと思っておりましたが、ここ最近急に秋めいてまいりましたね。夜になるとどこからともなく虫の声が聴こえ、月明かりが冴え冴えとして、季節の移ろいを身に染みて感じるこの頃です。皆様はいかがお過ごしですか?

私は、Webによる学会や、講演会、医師会報の編集委員の仕事に追われ、あっという間の9月でした。宇都宮医師会の編集委員は4年任期で、順番で編集後記や表紙の言葉を書くことになっているのですが、今回10月号が私の最後の当番で、ようやく終わりました!編集委員をやってみて感じたことですが、宇都宮医師会の先生方は多趣味で、文学、音楽、美術、歴史などいろいろなことに造詣が深く、ご多忙のなか、いろいろなことを追求なさっていることに毎回敬服しております。私自身は編集委員としての4年間、締め切りに間に合わせるために文章を書かなければいけないという切迫感のお陰で、だいぶ文章力が鍛えられたと思います(笑)。

さて、9月12、13日に行われた日本美容皮膚科学会は、今年は日本医大教授の船坂陽子先生が会頭で、火曜午後に当院で診察をしてくださる魚住先生は、今船坂先生の下で美容皮膚科を勉強なさっています。船坂先生は色素病変に対する臨床、基礎研究の大家であり、今回は色素斑に関する演題が多かった印象です。特に今回は肝斑に対する治療を極めるためのセッションがありました。近年レーザートーニングの肝斑の効果は賛否両論があった印象でしたが、今回レーザートーニングの効果を再認識したと感じています。レーザートーニングは、細胞のアポトーシス(細胞死)を起こさず、成熟メラノソームのみが破壊されるとの報告があり、さらに真皮のメラノファージが除去され、色素斑の改善が速やかに得られるとの研究結果もあります。この真皮への効果はハイドロキノンなどの外用剤では得られない効果であり、今後肝斑の治療法として、レーザートーニングは当院でも再度積極的に導入検討していきたいと考えました。日本医大皮膚科では、肝斑に対するレーザートーニングの治療を積極的に継続しており、近いうちに魚住先生にもコラムにてご披露頂きたいと思っています。

写真は、先日宇医会報の表紙に載せたバリ島の田園風景です。青々と稲穂の茂る田んぼと、そのかなたにスーッとののびるヤシの木の組み合わせがエキゾチックである一方で、不思議と懐かしさに似た気持ちを覚えました。コロナ禍で気持ちが萎縮している今、バリ島の人々笑顔とあのすがすがしい風景が輝いて思い起こされ、頑張れ!と、力をもらっているように感じています。

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